借地借家法

 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 借地
  第一節 借地権の存続期間等(第三条―第九条)
  第二節 借地権の効力(第十条―第十六条)
  第三節 借地条件の変更等(第十七条―第二十一条)
  第四節 定期借地権等(第二十二条―第二十五条)
 第三章 借家
  第一節 建物賃貸借契約の更新等(第二十六条―第三十条)
  第二節 建物賃貸借の効力(第三十一条―第三十七条)
  第三節 定期建物賃貸借等(第三十八条―第四十条)
 第四章 借地条件の変更等の裁判手続(第四十一条―第六十条)
 附則

   第一章 総則

(趣旨)
第一条  この法律は、建物の所有を目的とする地上権及び土地の賃借権の存続期間、効力等並びに建物の賃貸借の契約の更新、効力等に関し特別の定めをするとともに、借地条件の変更等の裁判手続に関し必要な事項を定めるものとする。

(定義)
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一  借地権 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権をいう。
二  借地権者 借地権を有する者をいう。
三  借地権設定者 借地権者に対して借地権を設定している者をいう。
四  転借地権 建物の所有を目的とする土地の賃借権で借地権者が設定しているものをいう。
五  転借地権者 転借地権を有する者をいう。

   第二章 借地

    第一節 借地権の存続期間等

(借地権の存続期間)
第三条  借地権の存続期間は、三十年とする。ただし、契約でこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。

(借地権の更新後の期間)
第四条  当事者が借地契約を更新する場合においては、その期間は、更新の日から十年(借地権の設定後の最初の更新にあっては、二十年)とする。ただし、当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間とする。

(借地契約の更新請求等)
第五条  借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、建物がある場合に限り、前条の規定によるもののほか、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときは、この限りでない。
2  借地権の存続期間が満了した後、借地権者が土地の使用を継続するときも、建物がある場合に限り、前項と同様とする。
3  転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする土地の使用の継続を借地権者がする土地の使用の継続とみなして、借地権者と借地権設定者との間について前項の規定を適用する。

(借地契約の更新拒絶の要件)
第六条  前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。

(建物の再築による借地権の期間の延長)
第七条  借地権の存続期間が満了する前に建物の滅失(借地権者又は転借地権者による取壊しを含む。以下同じ。)があった場合において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、その建物を築造するにつき借地権設定者の承諾がある場合に限り、借地権は、承諾があった日又は建物が築造された日のいずれか早い日から二十年間存続する。ただし、残存期間がこれより長いとき、又は当事者がこれより長い期間を定めたときは、その期間による。
2  借地権者が借地権設定者に対し残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造する旨を通知した場合において、借地権設定者がその通知を受けた後二月以内に異議を述べなかったときは、その建物を築造するにつき前項の借地権設定者の承諾があったものとみなす。ただし、契約の更新の後(同項の規定により借地権の存続期間が延長された場合にあっては、借地権の当初の存続期間が満了すべき日の後。次条及び第十八条において同じ。)に通知があった場合においては、この限りでない。
3  転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする建物の築造を借地権者がする建物の築造とみなして、借地権者と借地権設定者との間について第一項の規定を適用する。

(借地契約の更新後の建物の滅失による解約等)
第八条  契約の更新の後に建物の滅失があった場合においては、借地権者は、地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
2  前項に規定する場合において、借地権者が借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべき建物を築造したときは、借地権設定者は、地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
3  前二項の場合においては、借地権は、地上権の放棄若しくは消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れがあった日から三月を経過することによって消滅する。
4  第一項に規定する地上権の放棄又は土地の賃貸借の解約の申入れをする権利は、第二項に規定する地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをする権利を制限する場合に限り、制限することができる。
5  転借地権が設定されている場合においては、転借地権者がする建物の築造を借地権者がする建物の築造とみなして、借地権者と借地権設定者との間について第二項の規定を適用する。

(強行規定)
第九条  この節の規定に反する特約で借地権者に不利なものは、無効とする。

    第二節 借地権の効力

(借地権の対抗力等)
第十条  借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。
2  前項の場合において、建物の滅失があっても、借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、なお同項の効力を有する。ただし、建物の滅失があった日から二年を経過した後にあっては、その前に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記した場合に限る。
3  民法 (明治二十九年法律第八十九号)第五百六十六条第一項 及び第三項 の規定は、前二項の規定により第三者に対抗することができる借地権の目的である土地が売買の目的物である場合に準用する。
4  民法第五百三十三条 の規定は、前項の場合に準用する。

(地代等増減請求権)
第十一条  地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2  地代等の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
3  地代等の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の地代等の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた地代等の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

(借地権設定者の先取特権)
第十二条  借地権設定者は、弁済期の到来した最後の二年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する。
2  前項の先取特権は、地上権又は土地の賃貸借の登記をすることによって、その効力を保存する。
3  第一項の先取特権は、他の権利に対して優先する効力を有する。ただし、共益費用、不動産保存及び不動産工事の先取特権並びに地上権又は土地の賃貸借の登記より前に登記された質権及び抵当権には後れる。
4  前三項の規定は、転借地権者がその土地において所有する建物について準用する。

(建物買取請求権)
第十三条  借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
2  前項の場合において、建物が借地権の存続期間が満了する前に借地権設定者の承諾を得ないで残存期間を超えて存続すべきものとして新たに築造されたものであるときは、裁判所は、借地権設定者の請求により、代金の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。
3  前二項の規定は、借地権の存続期間が満了した場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。

(第三者の建物買取請求権)
第十四条  第三者が賃借権の目的である土地の上の建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を取得した場合において、借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、その第三者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原によって土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。

(自己借地権)
第十五条  借地権を設定する場合においては、他の者と共に有することとなるときに限り、借地権設定者が自らその借地権を有することを妨げない。
2  借地権が借地権設定者に帰した場合であっても、他の者と共にその借地権を有するときは、その借地権は、消滅しない。

(強行規定)
第十六条  第十条、第十三条及び第十四条の規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。

    第三節 借地条件の変更等

(借地条件の変更及び増改築の許可)
第十七条  建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更により現に借地権を設定するにおいてはその借地条件と異なる建物の所有を目的とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。
2  増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
3  裁判所は、前二項の裁判をする場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる。
4  裁判所は、前三項の裁判をするには、借地権の残存期間、土地の状況、借地に関する従前の経過その他一切の事情を考慮しなければならない。
5  転借地権が設定されている場合において、必要があるときは、裁判所は、転借地権者の申立てにより、転借地権とともに借地権につき第一項から第三項までの裁判をすることができる。
6  裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第一項から第三項まで又は前項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。

(借地契約の更新後の建物の再築の許可)
第十八条  契約の更新の後において、借地権者が残存期間を超えて存続すべき建物を新たに築造することにつきやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者がその建物の築造を承諾しないときは、借地権設定者が地上権の消滅の請求又は土地の賃貸借の解約の申入れをすることができない旨を定めた場合を除き、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、延長すべき借地権の期間として第七条第一項の規定による期間と異なる期間を定め、他の借地条件を変更し、財産上の給付を命じ、その他相当の処分をすることができる。
2  裁判所は、前項の裁判をするには、建物の状況、建物の滅失があった場合には滅失に至った事情、借地に関する従前の経過、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。)が土地の使用を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
3  前条第五項及び第六項の規定は、第一項の裁判をする場合に準用する。

(土地の賃借権の譲渡又は転貸の許可)
第十九条  借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
2  裁判所は、前項の裁判をするには、賃借権の残存期間、借地に関する従前の経過、賃借権の譲渡又は転貸を必要とする事情その他一切の事情を考慮しなければならない。
3  第一項の申立てがあった場合において、裁判所が定める期間内に借地権設定者が自ら建物の譲渡及び賃借権の譲渡又は転貸を受ける旨の申立てをしたときは、裁判所は、同項の規定にかかわらず、相当の対価及び転貸の条件を定めて、これを命ずることができる。この裁判においては、当事者双方に対し、その義務を同時に履行すべきことを命ずることができる。
4  前項の申立ては、第一項の申立てが取り下げられたとき、又は不適法として却下されたときは、その効力を失う。
5  第三項の裁判があった後は、第一項又は第三項の申立ては、当事者の合意がある場合でなければ取り下げることができない。
6  裁判所は、特に必要がないと認める場合を除き、第一項又は第三項の裁判をする前に鑑定委員会の意見を聴かなければならない。
7  前各項の規定は、転借地権が設定されている場合における転借地権者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第三項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。

(建物競売等の場合における土地の賃借権の譲渡の許可)
第二十条  第三者が賃借権の目的である土地の上の建物を競売又は公売により取得した場合において、その第三者が賃借権を取得しても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡を承諾しないときは、裁判所は、その第三者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、借地条件を変更し、又は財産上の給付を命ずることができる。
2  前条第二項から第六項までの規定は、前項の申立てがあった場合に準用する。
3  第一項の申立ては、建物の代金を支払った後二月以内に限り、することができる。
4  民事調停法 (昭和二十六年法律第二百二十二号)第十九条 の規定は、同条 に規定する期間内に第一項 の申立てをした場合に準用する。
5  前各項の規定は、転借地権者から競売又は公売により建物を取得した第三者と借地権設定者との間について準用する。ただし、借地権設定者が第二項において準用する前条第三項の申立てをするには、借地権者の承諾を得なければならない。

(強行規定)
第二十一条  第十七条から第十九条までの規定に反する特約で借地権者又は転借地権者に不利なものは、無効とする。

    第四節 定期借地権等

(定期借地権)
第二十二条  存続期間を五十年以上として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第一項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。この場合においては、その特約は、公正証書による等書面によってしなければならない。

(事業用定期借地権等)
第二十三条  専ら事業の用に供する建物(居住の用に供するものを除く。次項において同じ。)の所有を目的とし、かつ、存続期間を三十年以上五十年未満として借地権を設定する場合においては、第九条及び第十六条の規定にかかわらず、契約の更新及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第十三条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
2  専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、かつ、存続期間を十年以上三十年未満として借地権を設定する場合には、第三条から第八条まで、第十三条及び第十八条の規定は、適用しない。
3  前二項に規定する借地権の設定を目的とする契約は、公正証書によってしなければならない。

(建物譲渡特約付借地権)
第二十四条  借地権を設定する場合(前条第二項に規定する借地権を設定する場合を除く。)においては、第九条の規定にかかわらず、借地権を消滅させるため、その設定後三十年以上を経過した日に借地権の目的である土地の上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。
2  前項の特約により借地権が消滅した場合において、その借地権者又は建物の賃借人でその消滅後建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時にその建物につきその借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借(借地権者が請求をした場合において、借地権の残存期間があるときは、その残存期間を存続期間とする賃貸借)がされたものとみなす。この場合において、建物の借賃は、当事者の請求により、裁判所が定める。
3  第一項の特約がある場合において、借地権者又は建物の賃借人と借地権設定者との間でその建物につき第三十八条第一項の規定による賃貸借契約をしたときは、前項の規定にかかわらず、その定めに従う。

(一時使用目的の借地権)
第二十五条  第三条から第八条まで、第十三条、第十七条、第十八条及び第二十二条から前条までの規定は、臨時設備の設置その他一時使用のために借地権を設定したことが明らかな場合には、適用しない。

   第三章 借家

    第一節 建物賃貸借契約の更新等

(建物賃貸借契約の更新等)
第二十六条  建物の賃貸借について期間の定めがある場合において、当事者が期間の満了の一年前から六月前までの間に相手方に対して更新をしない旨の通知又は条件を変更しなければ更新をしない旨の通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなす。ただし、その期間は、定めがないものとする。
2  前項の通知をした場合であっても、建物の賃貸借の期間が満了した後建物の賃借人が使用を継続する場合において、建物の賃貸人が遅滞なく異議を述べなかったときも、同項と同様とする。
3  建物の転貸借がされている場合においては、建物の転借人がする建物の使用の継続を建物の賃借人がする建物の使用の継続とみなして、建物の賃借人と賃貸人との間について前項の規定を適用する。

(解約による建物賃貸借の終了)
第二十七条  建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から六月を経過することによって終了する。
2  前条第二項及び第三項の規定は、建物の賃貸借が解約の申入れによって終了した場合に準用する。

(建物賃貸借契約の更新拒絶等の要件)
第二十八条  建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。

(建物賃貸借の期間)
第二十九条  期間を一年未満とする建物の賃貸借は、期間の定めがない建物の賃貸借とみなす。
2  民法第六百四条 の規定は、建物の賃貸借については、適用しない。

(強行規定)
第三十条  この節の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。

    第二節 建物賃貸借の効力

(建物賃貸借の対抗力等)
第三十一条  建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。
2  民法第五百六十六条第一項 及び第三項 の規定は、前項の規定により効力を有する賃貸借の目的である建物が売買の目的物である場合に準用する。
3  民法第五百三十三条 の規定は、前項の場合に準用する。

(借賃増減請求権)
第三十二条  建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間建物の借賃を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。
2  建物の借賃の増額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、増額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃を支払うことをもって足りる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払った額に不足があるときは、その不足額に年一割の割合による支払期後の利息を付してこれを支払わなければならない。
3  建物の借賃の減額について当事者間に協議が調わないときは、その請求を受けた者は、減額を正当とする裁判が確定するまでは、相当と認める額の建物の借賃の支払を請求することができる。ただし、その裁判が確定した場合において、既に支払を受けた額が正当とされた建物の借賃の額を超えるときは、その超過額に年一割の割合による受領の時からの利息を付してこれを返還しなければならない。

(造作買取請求権)
第三十三条  建物の賃貸人の同意を得て建物に付加した畳、建具その他の造作がある場合には、建物の賃借人は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときに、建物の賃貸人に対し、その造作を時価で買い取るべきことを請求することができる。建物の賃貸人から買い受けた造作についても、同様とする。
2  前項の規定は、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了する場合における建物の転借人と賃貸人との間について準用する。

(建物賃貸借終了の場合における転借人の保護)
第三十四条  建物の転貸借がされている場合において、建物の賃貸借が期間の満了又は解約の申入れによって終了するときは、建物の賃貸人は、建物の転借人にその旨の通知をしなければ、その終了を建物の転借人に対抗することができない。
2  建物の賃貸人が前項の通知をしたときは、建物の転貸借は、その通知がされた日から六月を経過することによって終了する。

(借地上の建物の賃借人の保護)
第三十五条  借地権の目的である土地の上の建物につき賃貸借がされている場合において、借地権の存続期間の満了によって建物の賃借人が土地を明け渡すべきときは、建物の賃借人が借地権の存続期間が満了することをその一年前までに知らなかった場合に限り、裁判所は、建物の賃借人の請求により、建物の賃借人がこれを知った日から一年を超えない範囲内において、土地の明渡しにつき相当の期限を許与することができる。
2  前項の規定により裁判所が期限の許与をしたときは、建物の賃貸借は、その期限が到来することによって終了する。

(居住用建物の賃貸借の承継)
第三十六条  居住の用に供する建物の賃借人が相続人なしに死亡した場合において、その当時婚姻又は縁組の届出をしていないが、建物の賃借人と事実上夫婦又は養親子と同様の関係にあった同居者があるときは、その同居者は、建物の賃借人の権利義務を承継する。ただし、相続人なしに死亡したことを知った後一月以内に建物の賃貸人に反対の意思を表示したときは、この限りでない。
2  前項本文の場合においては、建物の賃貸借関係に基づき生じた債権又は債務は、同項の規定により建物の賃借人の権利義務を承継した者に帰属する。

(強行規定)
第三十七条  第三十一条、第三十四条及び第三十五条の規定に反する特約で建物の賃借人又は転借人に不利なものは、無効とする。

    第三節 定期建物賃貸借等

(定期建物賃貸借)
第三十八条  期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第三十条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第二十九条第一項の規定を適用しない。
2  前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
3  建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
4  第一項の規定による建物の賃貸借において、期間が一年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の一年前から六月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から六月を経過した後は、この限りでない。
5  第一項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が二百平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から一月を経過することによって終了する。
6  前二項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
7  第三十二条の規定は、第一項の規定による建物の賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。

(取壊し予定の建物の賃貸借)
第三十九条  法令又は契約により一定の期間を経過した後に建物を取り壊すべきことが明らかな場合において、建物の賃貸借をするときは、第三十条の規定にかかわらず、建物を取り壊すこととなる時に賃貸借が終了する旨を定めることができる。
2  前項の特約は、同項の建物を取り壊すべき事由を記載した書面によってしなければならない。

(一時使用目的の建物の賃貸借)
第四十条  この章の規定は、一時使用のために建物の賃貸借をしたことが明らかな場合には、適用しない。

   第四章 借地条件の変更等の裁判手続

(管轄裁判所)
第四十一条  第十七条第一項、第二項若しくは第五項(第十八条第三項において準用する場合を含む。)、第十八条第一項、第十九条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)若しくは第三項(同条第七項及び第二十条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)又は第二十条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事件は、借地権の目的である土地の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。ただし、当事者の合意があるときは、その所在地を管轄する簡易裁判所が管轄することを妨げない。

(非訟事件手続法 の適用除外及び最高裁判所規則)
第四十二条  前条の事件については、非訟事件手続法 (平成二十三年法律第五十一号)第二十七条 、第四十条及び第六十三条第一項後段の規定は、適用しない。
2  この法律に定めるもののほか、前条の事件に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

(強制参加)
第四十三条  裁判所は、当事者の申立てにより、当事者となる資格を有する者を第四十一条の事件の手続に参加させることができる。
2  前項の申立ては、その趣旨及び理由を記載した書面でしなければならない。
3  第一項の申立てを却下する裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

(手続代理人の資格)
第四十四条  法令により裁判上の行為をすることができる代理人のほか、弁護士でなければ手続代理人となることができない。ただし、簡易裁判所においては、その許可を得て、弁護士でない者を手続代理人とすることができる。
2  前項ただし書の許可は、いつでも取り消すことができる。

(手続代理人の代理権の範囲)
第四十五条  手続代理人は、委任を受けた事件について、非訟事件手続法第二十三条第一項 に定める事項のほか、第十九条第三項(同条第七項及び第二十条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。次項において同じ。)の申立てに関する手続行為(次項に規定するものを除く。)をすることができる。
2  手続代理人は、非訟事件手続法第二十三条第二項 各号に掲げる事項のほか、第十九条第三項の申立てについては、特別の委任を受けなければならない。

(事件の記録の閲覧等)
第四十六条  当事者及び利害関係を疎明した第三者は、裁判所書記官に対し、第四十一条の事件の記録の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は同条の事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
2  民事訴訟法 (平成八年法律第百九号)第九十一条第四項 及び第五項 の規定は、前項の記録について準用する。

(鑑定委員会)
第四十七条  鑑定委員会は、三人以上の委員で組織する。
2  鑑定委員は、次に掲げる者の中から、事件ごとに、裁判所が指定する。ただし、特に必要があるときは、それ以外の者の中から指定することを妨げない。
一  地方裁判所が特別の知識経験を有する者その他適当な者の中から毎年あらかじめ選任した者
二  当事者が合意によって選定した者
3  鑑定委員には、最高裁判所規則で定める旅費、日当及び宿泊料を支給する。

(手続の中止)
第四十八条  裁判所は、借地権の目的である土地に関する権利関係について訴訟その他の事件が係属するときは、その事件が終了するまで、第四十一条の事件の手続を中止することができる。

(不適法な申立ての却下)
第四十九条  申立てが不適法でその不備を補正することができないときは、裁判所は、審問期日を経ないで、申立てを却下することができる。

(申立書の送達)
第五十条  裁判所は、前条の場合を除き、第四十一条の事件の申立書を相手方に送達しなければならない。
2  非訟事件手続法第四十三条第四項 から第六項 までの規定は、申立書の送達をすることができない場合(申立書の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。

(審問期日)
第五十一条  裁判所は、審問期日を開き、当事者の陳述を聴かなければならない。
2  当事者は、他の当事者の審問に立ち会うことができる。

(呼出費用の予納がない場合の申立ての却下)
第五十二条  裁判所は、民事訴訟費用等に関する法律 (昭和四十六年法律第四十号)の規定に従い当事者に対する期日の呼出しに必要な費用の予納を相当の期間を定めて申立人に命じた場合において、その予納がないときは、申立てを却下することができる。

(事実の調査の通知)
第五十三条  裁判所は、事実の調査をしたときは、特に必要がないと認める場合を除き、その旨を当事者及び利害関係参加人に通知しなければならない。

(審理の終結)
第五十四条  裁判所は、審理を終結するときは、審問期日においてその旨を宣言しなければならない。

(裁判書の送達及び効力の発生)
第五十五条  第十七条第一項から第三項まで若しくは第五項(第十八条第三項において準用する場合を含む。)、第十八条第一項、第十九条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)若しくは第三項(同条第七項及び第二十条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)又は第二十条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による裁判があったときは、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
2  前項の裁判は、確定しなければその効力を生じない。

(理由の付記)
第五十六条  前条第一項の裁判には、理由を付さなければならない。

(裁判の効力が及ぶ者の範囲)
第五十七条  第五十五条第一項の裁判は、当事者又は最終の審問期日の後裁判の確定前の承継人に対し、その効力を有する。

(給付を命ずる裁判の効力)
第五十八条  第十七条第三項若しくは第五項(第十八条第三項において準用する場合を含む。)、第十八条第一項、第十九条第三項(同条第七項及び第二十条第二項(同条第五項において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)又は第二十条第一項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定による裁判で給付を命ずるものは、強制執行に関しては、裁判上の和解と同一の効力を有する。

(譲渡又は転貸の許可の裁判の失効)
第五十九条  第十九条第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)の規定による裁判は、その効力を生じた後六月以内に借地権者が建物の譲渡をしないときは、その効力を失う。ただし、この期間は、その裁判において伸長し、又は短縮することができる。

(第一審の手続の規定の準用)
第六十条  第四十九条、第五十条及び第五十二条の規定は、第五十五条第一項の裁判に対する即時抗告があった場合について準用する。

借地法

第1条 本法ニ於テ借地権ト称スルハ建物ノ所有ヲ目的トスル地上権及賃借権ヲ謂フ
第2条 借地権ノ存続期間ハ石造、土造、煉瓦造又ハ之ニ類スル堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ60年、其ノ他ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ30年トス 但シ建物カ此ノ期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅ス
2 契約ヲ以テ堅固ノ建物ニ付30年以上、其ノ他ノ建物ニ付20年以上ノ存続期間ヲ定メタルトキハ借地権ハ前項ノ規定ニ拘ラス其ノ期間ノ満了ニ因リテ消滅ス
第3条 契約ヲ以テ借地権ヲ設定スル場合ニ於テ建物ノ種類及構造ヲ定メサルトキハ借地権ハ堅固ノ建物以外ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノト看做ス
第4条 借地権消滅ノ場合ニ於テ借地権者カ契約ノ更新ヲ請求シタルトキハ建物アル場合ニ限リ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 但シ土地所有者カ自ラ土地ヲ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ於テ遅滞ナク異議ヲ述ヘタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 借地権者ハ契約ノ更新ナキ場合ニ於テハ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
3 第5条第1項ノ規定ハ第1項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第5条 当事者カ契約ヲ更新スル場合ニ於テハ借地権ノ存続期間ハ更新ノ時ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年トス 此ノ場合ニ於テハ第2条第1項但書ノ規定ヲ準用ス
2 当事者カ前項ニ規定スル期間ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ定ニ従フ
第6条 借地権者借地権ノ消滅後土地ノ使用ヲ継続スル場合ニ於テ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ前契約ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ借地権ヲ設定シタルモノト看做ス 此ノ場合ニ於テハ前条第1項ノ規定ヲ準用ス
2 前項ノ場合ニ於テ建物アルトキハ土地所有ハ第4条第1項但書ニ規定スル事由アルニ非サレハ異議ヲ述フルコトヲ得ス
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス 但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
第8条 前2条ノ規定ハ借地権者カ更ニ借地権ヲ設定シタル場合ニ之ヲ準用ス
第8条ノ2 防火地域ノ指定、附近ノ土地ノ利用状況ノ変化其ノ他ノ事情ノ変更ニ因リ現ニ借地権ヲ設定スルニ於テハ堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルコトヲ相当トスルニ至リタル場合ニ於テ堅固ノ建物以外ノ建物ヲ所有スル旨ノ借地条件ノ変更ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ裁判所ハ当事者ノ申立ニ因リ其ノ借地条件ヲ変更スルコトヲ得
2 増改築ヲ制限スル旨ノ借地条件ガ存スル場合ニ於テ土地ノ通常ノ利用上相当トスベキ増改築ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ増改築ニ付テノ土地所有者又ハ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得
3 裁判所ハ前2項ノ裁判ヲ為ス場合ニ於テ当事者間ノ利点ノ衡平ヲ図ル為必要アルトキハ他ノ借地条件ヲ変更シ、財産上ノ給付ヲ命ジ其ノ他相当ノ処分ヲ為スコトヲ得
4 裁判所ハ前3項ノ裁判ヲ為スニハ借地権ノ残存期間、土地ノ状況、借地ニ関スル従前ノ経過其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス
5 借地権者ガ更ニ借地権ヲ設定シタル場合ニ於テ必要アルトキハ裁判所ハ後ノ借地権者ノ申立ニ因リ其ノ者ノ借地権及前ノ借地権者ノ借地権ニ付第1項乃至第3項ノ裁判ヲ為スコトヲ得
6 裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第1項乃至第3項又ハ前項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
第9条 第2条乃至前条ノ規定ハ臨時設備其ノ他一時使用ノ為借地権ヲ設定シタルコト明ナル場合ニハ之ヲ適用セス
第9条ノ2 借地権者ガ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ第三者ニ譲渡セントスル場合ニ於テ其ノ第三者ガ賃借権ヲ取得シ又ハ転借スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ裁判所ハ借地権者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利益ノ衝平ヲ図ル為必要アルトキハ賃借権ノ譲渡若ハ転貸ヲ条件トスル借地条件ノ変更ヲ命ジ又ハ其ノ許可ヲ財産上ノ給付ニ係ラシムルコトヲ得
2 裁判所ハ前項ノ裁判ヲ為スニハ賃借権ノ残存期間、借地ニ関スル従前ノ経過、賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ必要トスル事情其ノ他一切ノ事情ヲ考慮スルコトヲ要ス
3 第1項ノ申立アリタル場合ニ於テ裁判所ガ定ムル期間内ニ賃貸人ガ自ラ建物ノ譲渡及賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ受クベキ旨ノ申立ヲ為シタルトキハ裁判所ハ同項ノ規定ニ拘ラズ相当ノ対価及転貸ノ条件ヲ定メテ之ヲ命ズルコトヲ得 此ノ裁判ニ於テハ当事者双方ニ対シ其ノ義務ヲ同時ニ履行スベキコトヲ命ズルコトヲ得
4 前項ノ申立ハ第1項ノ申立ノ取下アリタルトキ又ハ不適法トシテ同項ノ申立ノ却下アリタルトキハ其ノ効力ヲ失フ
5 第3項ノ裁判アリタル後ハ第1項又ハ第3項ノ申立ハ当事者ノ合意アルニ非ザレバ之ヲ取下グルコトヲ得ズ
6 裁判所ハ特ニ必要ナシト認ムル場合ヲ除クノ外第1項又ハ第3項ノ裁判ヲ為ス前鑑定委員会ノ意見ヲ聴クコトヲ要ス
第9条ノ3 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物ヲ競売又ハ公売ニ因リ取得シタル場合ニ於テ其ノ第三者カ賃借権ヲ取得スルモ賃貸人ニ不利トナル虞ナキニ拘ラズ賃貸人ガ其ノ賃借権ノ譲渡ヲ承諾セサルトキハ裁判所ハ其ノ第三者ノ申立ニ因リ賃貸人ノ承諾ニ代ハル許可ヲ与フルコトヲ得 此ノ場合ニ於テ当事者間ノ利点ノ衝平ヲ図ル為必要アルトキハ借地条件ヲ変更シ又ハ財産上ノ給付ヲ命ズルコトヲ得
2 前条第2項乃至第6項ノ規定ハ前項ノ申立アリタル場合ニ之ヲ準用ス
3 第1項ノ申立ハ建物ノ代金ヲ支払ヒタル後2月内ニ限リ之ヲ為スコトヲ得
民事調停法(昭和26年法律第222号)第19条ノ規定ハ同条ニ規定スル期間内ニ第1項ノ申立ヲ為シタル場合ニ之ヲ準用ス
第9条ノ4 第9条ノ2ノ規定ハ土地ノ転借人ト賃貸人トノ間ニ、前条ノ規定ハ土地ノ転借人ヨリ競売又ハ公売ニ因リ建物ヲ取得シタル第三者ト賃貸人トノ間ニ之ヲ準用ス 但シ賃貸人カ第9条ノ2第3項(前条第2項ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ申立ヲ為スニハ転貸人ノ承諾ヲ得ルコトヲ要ス
第10条 第三者カ賃借権ノ目的タル土地ノ上ニ存スル建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ取得シタル場合ニ於テ賃貸人カ賃借権ノ譲渡又ハ転貸ヲ承諾セサルトキハ賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ建物其ノ他借地権者カ権原ニ因リテ土地ニ附属セシメタル物ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
第11条 第2条、第4条乃至第8条ノ2、第9条ノ2(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス
第12条 地代又ハ借賃カ土地ニ対スル租税其ノ他ノ公課ノ増減若ハ土地ノ価格ノ昂低ニ因リ又ハ比隣ノ土地ノ地代若ハ借賃ニ比較シテ不相当ナルニ至リタルトキハ契約ノ条件ニ拘ラス当事者ハ将来ニ向テ地代又ハ借賃ノ増減ヲ請求スルコトヲ得 但シ一定ノ期間地代又ハ借賃ヲ増加セサルヘキ特約アルトキハ其ノ定ニ従フ
2 地代又ハ借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマテハ相当ト認ムル地代又ハ借賃ヲ支払フヲ以テ足ル 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ附則アルトキハ不足額ニ年1割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス
3 地代又ハ借賃ノ減額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル地代又ハ借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル地代又ハ借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年1割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス
第13条 土地所有者又ハ賃貸人ハ弁済期ニ至リタル最後ノ2年分ノ地代又ハ借賃ニ付借地権者カ其ノ土地ニ於テ所有スル建物ノ上ニ先取特権ヲ有ス
2 前項ノ先取特権ハ地上権又ハ賃貸借ノ登記ヲ為スニ因リテ其ノ効力ヲ保存ス
第14条 前条ノ先取特権ハ他ノ権利ニ対シテ優先ノ効力ヲ有ス 但シ共益費用不動産保存不動産工事ノ先取特権及地上権又ハ賃貸借ノ登記前登記シタル質権抵当権ニ後ル
第14条ノ2 第8条ノ2第1項、第2項若ハ第5項、第9条ノ2第1項(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲヲ含ム)若ハ第3項(第9条ノ3第1項及第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第9条ノ3第1項(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ニ定メタル事件ハ借地権ノ目的タル土地ノ所在地ノ地方裁判所ノ管轄トス 但シ当事者ノ合意アリタルトキハ其ノ所在地ノ簡易裁判所之ヲ管轄スルコトヲ妨ゲズ
第14条ノ3 特別ノ定アル場合ヲ除キ前条ノ事件ニ関シテハ非訟事件手続法(明治31年法律第14号)第1編ノ規定ヲ準用ス 但シ同法第6条、第7条、第15条及第32条ノ規定ハ此ノ限ニ在ラズ
2 本法ニ定ムルモノノ外前条ノ事件ニ関シ必要ナル事項ハ最高裁判所之ヲ定ム
第14条ノ4 裁判所職員ノ除斥、忌避及回避ニ関スル民事訴訟法(明治23年法律第29号)ノ規定ハ第14条ノ2ノ事件ニ之ヲ準用ス
第14条ノ5 鑑定委員会ハ3人以上ノ委員ヲ以テ之ヲ組織ス
2 鑑定委員ハ左ノ者ノ中ヨリ各事件ニ付裁判所之ヲ指定ス 但シ特ニ必要アルトキハ其ノ他ノ者ニ就キ之ヲ指定スルコトヲ得
1.地方裁判所ガ特別ノ知識経験アル者其ノ他適当ナル者ノ中ヨリ毎年予メ選任シタル者
2.当事者ガ合意ニ依リ選定シタル者
3 鑑定委員ニハ最高裁判所ノ定ムル旅費、日当及宿泊料ヲ支給ス
第14条ノ6 裁判所ハ審問期日ヲ開キ当事者ノ陳述ヲ聴クコトヲ要ス
2 当事者ハ他ノ当事者ノ審問ニ立会フコトヲ得
第14条ノ7 裁判所ハ職権ヲ以テ事実ノ探知ヲ為シ及職権ヲ以テ又ハ申出ニ因リ必要ト認ムル証拠調ヲ為スベシ
2 証拠調ハ民事訴訟ノ例ニ依リ之ヲ為ス
第14条ノ8 裁判所ハ審理ヲ終結スルトキハ審問期日ニ於テ其ノ旨ヲ宣言スベシ
第14条ノ9 第8条ノ2第1項乃至第3項若ハ第5項、第9条ノ2第1項(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)若ハ第3項(第9条ノ3第2項及第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第9条ノ3第1項(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ裁判ニ対シテハ即時抗告ヲ為スコトヲ得
其ノ期間ハ之ヲ2週間トス
2 前項ノ裁判ハ確定スルニ非ザレバ其ノ効力ヲ生ゼズ
第14条ノ10 前条第1項ノ裁判ハ当事者又ハ最終ノ審問期日後裁判確定前ノ承継人ニ対シ其ノ効力ヲ有ス
第14条ノ11 第8条ノ2第3項若ハ第5項、第9条ノ2第3項(第9条ノ3第2項及第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)又ハ第9条ノ3第1項(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ裁判ニシテ給付ヲ命ズルモノハ強制執行ニ関シテハ裁判上ノ和解ト同一ノ効力ヲ有ス
第14条ノ12 第9条ノ2第1項(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ裁判ハ其ノ効力ヲ生ジタル後6月内ニ借地権者ガ建物ノ譲渡ヲ為ササルトキハ其ノ効力ヲ失フ 但シ此ノ期間ハ其ノ裁判ニ於テ之ヲ伸長シ又ハ短縮スルコトヲ得
第14条ノ13 民事訴訟法第136条及第203条(和解ニ関スル部分ニ限ル)並ニ民事調停法第20条ノ規定ハ第14条ノ2ノ事件ニ之ヲ準用ス
第14条ノ14 当事者及利害関係ヲ疎明シタル第三者ハ第14条ノ2ノ事件ノ記録ノ閲覧ヲ裁判所書記官ニ請求スルコトヲ得 但シ記録ノ保有又ハ裁判所ノ執務ニ支障アルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 民事訴訟法第151条第3項及第4項ノ規定ハ前項ノ記録ニ之ヲ準用ス
第14条ノ15 民事訴訟法第104条(第2項中同法第89条乃至第94条ノ規定ヲ準用スル部分ヲ除ク)ノ規定ハ第9条ノ2第4項(第9条ノ3第2項及第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)ノ場合ニ之ヲ準用ス
附 則
第15条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第16条 本法施行ノ地区ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第17条 本法ノ施行前設定シタル地上権又ハ賃借権ニシテ建物ノ所有ヲ目的トスルモノノ存続期間ハ既ニ経過シタル期間ヲ算入シ堅固ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テ30年、其ノ他ノ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付テハ20年トス 但シ建物カ此ノ期間満了前朽廃シタルトキハ借地権ハ之ニ因リテ消滅シ堅固ノ建物ニ付30年ヲ超エ、其ノ他ノ建物ニ付20年ヲ超ユル存続期間ノ定アル地上権ハ其ノ期間ノ満了ニ因リテ消滅ス
2 建物ノ所有ヲ目的トスル地上権又ハ賃借権ニ付存続期間ノ定ナキ場合ニ於テ本法施行前20年以上ヲ経過シタルトキハ当事者ハ20年毎ニ契約ヲ更新シタルモノト看做シ前項ノ規定ヲ適用ス
3 第1項ノ規定ハ臨時設備其ノ他一時使用ノ為設定シタルコト明ナル地上権及賃賃借ニ付之ヲ適用セス
第18条 前条ニ規定スルモノヲ除クノ外本法施行ノ際現ニ存スル地上権又ハ賃借権ニシテ建物ノ所有ヲ目的トスルモノニ付亦本法ヲ適用ス

借家法

第1条 建物ノ賃貸借ハ其ノ登記ナキモ建物ノ引渡アリタルトキハ爾後其建物ニ付物権ヲ取得シタル者ニ対シ其ノ効力ヲ生ス
2 民法第566条第1項及第3項ノ規定ハ登記セサル賃貸借ノ目的タル建物カ売買ノ目的物ナル場合ニ之ヲ準用ス
3 民法第533条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
第1条ノ2 建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス
第2条 当事者カ賃貸借ノ期間ヲ定メタル場合ニ於テ当事者カ期間満了前6月乃至1年内ニ相手方ニ対シ更新拒絶ノ通知又ハ条件ヲ変更スルニ非サレハ更新セサル旨ノ通知ヲ為ササルトキハ期間満了ノ際前賃貸借ト同一ノ条件ヲ以テ更ニ賃貸借ヲ為シタルモノト看做ス
2 前項ノ通知ヲ為シタル場合ト雖モ期間満了ノ後賃借人カ建物ノ使用又ハ収益ヲ継続スル場合ニ於テ賃貸人カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキ亦前項ニ同シ
第3条 賃貸人ノ解約申入ハ6月前ニ之ヲ為スコトヲ要ス
2 前条第2項ノ規定ハ賃貸借カ解約申入ニ因リテ終了シタル場合ニ之ヲ準用ス
第3条ノ2 1年未満ノ期間ノ定アル賃貸借ハ之ヲ期間ノ定ナキモノト看做ス
第4条 賃貸借ノ期間満了又ハ解約申入ニ因リテ終了スヘキ転貸借アル場合ニ於テ賃貸借カ終了スヘキトキハ賃貸人ハ転借人ニ対シ其ノ旨ノ通知ヲ為スニ非サレハ其ノ終了ヲ以テ転借人ニ対抗スルコトヲ得ス
2 賃貸人カ前項ノ通知ヲ為シタルトキハ転貸借ハ其ノ通知ノ後6月ヲ経過スルニ因リテ終了ス
第5条 賃貸任ノ同意ヲ得テ建物ニ附加シタル畳、建具其ノ他ノ造作アルトキハ賃借人ハ賃貸借終了ノ場合ニ於テ其ノ際ニ於ケル賃貸人ニ対シ時価ヲ以テ其ノ造作ヲ買取ルヘキコトヲ請求スルコトヲ得
賃貸人ヨリ買受ケタル造作ニ付亦同シ
第6条 前7条ノ規定ニ反スル特約ニシテ賃借人ニ不利ナルモノハ之ヲ為ササルモノト看做ス
第7条 建物ノ借賃カ土地若ハ建物ニ対スル租税其ノ他ノ負担ノ増減ニ因リ、土地若ハ建物ノ価格ノ昂低ニ因リ又ハ比隣ノ建物ノ借賃ニ比較シテ不相当ナルニ至リタルトキハ契約ノ条件ニ拘ラス当事者ハ将来ニ向テ借賃ノ増減ヲ請求スルコトヲ得 但シ一定ノ期間借賃ヲ増加セサルヘキ特約アルトキハ其ノ定ニ従フ
2 借賃ノ増額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ増額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル借賃ヲ支払フヲ以テ足ル 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヒタル額ニ不足アルトキハ不足額ニ年1割ノ割合ニ依ル支払期後ノ利息ヲ附シテ之ヲ支払フコトヲ要ス
3 借賃ノ減額ニ付当事者間ニ協議調ハサルトキハ其ノ請求ヲ受ケタル者ハ減額ヲ正当トスル裁判ガ確定スルニ至ルマデハ相当ト認ムル借賃ノ支払ヲ請求スルコトヲ得 但シ其ノ裁判ガ確定シタル場合ニ於テ既ニ支払ヲ受ケタル額ガ正当トセラレタル借賃ヲ超ユルトキハ超過額ニ年1割ノ割合ニ依ル受領ノ時ヨリノ利息ヲ附シテ之ヲ返還スルコトヲ要ス
第7条ノ2 居住ノ用ニ供スル建物ノ賃借人ガ相続人ナクシテ死亡シタル場合ニ於テ其ノ当時婚姻又ハ縁組ノ届出ヲ為ササルモ賃借人ト事実上夫婦又ハ親子ト同様ノ関係ニ在リタル同居者アルトキハ其ノ者ハ賃借人ノ権利義務ヲ承継ス 但シ相続人ナクシテ死亡シタルコトヲ知リタル後1月内ニ賃貸人ニ対シ反対ノ意思ヲ表示シタルトキハ此ノ限ニ在ラズ
2 前項本文ノ場合ニ於テハ建物ノ賃貸借関係ニ基キ生ジタル債権又ハ債務ハ同項ノ規定ニ依リ賃借人ノ権利義務ヲ承継シタル者ニ帰属ス
第8条 本法ハ一時使用ノ為建物ノ賃貸借ヲ為シタルコト明ナル場合ニハ之ヲ適用セス
附 則
第9条 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第10条 本法施行ノ地区ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
第11条 本法ハ本法施行前ニ為シタル建物ノ賃賃借ニ付亦之ヲ適用ス 但シ本法施行前ニ賃貸人ノ特約ノ申入アリタル場合ニ於テハ賃貸借ハ既ニ経過シタル期間ヲ算入シ6月ヲ経過スルニ因リテ終了ス

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